英語リスニングに起こりがちな間違い
私は英語を教えて17年、18年になりますが多くの生徒様に起こる英語リスニングの間違いを見てきました。そのうちの1つは、リスニングした英語を推測することです。これは、自分でも気がついていないので危険です。これは意図的に起こるのですが、脳の働きによるものなのです。
脳の働き
脳はパターンを見つけようとします。パターンが不完全な時はその空白部分を埋めようとします。例えば、「A」をホワイトボードに書きます。生徒様にこれは何かと聞くと、“Aです”と自然に正解します。そして次にホワイトボードに「A」を書き、文字の一部を消します。ホワイトボードに書かれているものは「A」に似ているが、完全な「A」の状態ではありません。
例えば
この時点でホワイトボードに何が書いてあるか生徒様に聞いてみると、不完全な「A」を見ても英語に慣れている多くの生徒様は「Aです。」と答えるでしょう。正解です。「A」を書き、文字の一部を消しても「A」を意図していて、きちんと書かれていなくても「A」だと認識できます。脳は見覚えのあるパターンを見て、空白部分を補いパターンを完成させるのです。
英語リスニングで起こる問題
これは英語のリスニングをしている時にも起こります。英語を話しているのを聞いても、全ての単語を完璧に聞き取ることはできません。これにはいくつかの理由が考えられます。例えば、話し手の話し方がクリアではなかった、書いた時と話した時では発音が異なる、発音しない字がある、もしくは聞き取った全ての情報を一度に覚えられない等。理由が何であれ、全ての単語は拾えません。そうすると脳は経験に基づき、空白を埋めようとするのです。
実際にあったリスニング間違い
スミス英会話生駒校で実際にあった出来事です。
私はこう質問しました:「Do you like TV? (テレビは好きですか?)」
生徒様の答え:「Yes, I do. (はい好きです。)」
次の質問:「Do you have a pet? (ペットを飼っていますか?)」
生徒様の答え:「Yes, I do. (はい飼っています。)」
次の質問:「Do you read books? (本を読みますか?)」
すると生徒様は答えに迷い、少し考えてから「No I don’t. (いいえ読みません。)」と答えました。英語としてこの答え方は合っていますが、生徒様の正しい答えではなかったのではないかと思い、日本語で確かめてみると本を読むとのことでした。これには2つの間違いがありました。1つ目は単語の“book”と“box”の聞き間違い、そして2つ目はLikeを使った疑問文で“それを好きか”という質問をされたと考えたことです。「Do you like~?」や「Do you have~?」という質問は知っていましたが、「Do you~」の後ろに動詞がくる質問はほとんど経験がなく知りませんでした。そのため、生徒様は聞き取れなかった文の空白を過去の経験から埋めていました。今回は “Like”で空白を埋めていました。そして、“book”を聞き取れなかった時も、より知っていてパターンに合った単語が“box”でした。
英語を学ぶ方へ
こういった問題を避けるためにはどうすればいいでしょうか?完全に避けることは難しいですが、聞き間違いを減らすためにできることはあります。それは聞き取ったことをリピートすることです。理解できなかった所をリピートして練習します。最初は講師と練習するのが良いでしょう。これをする目的は理解することではありません。講師が話した言葉の音をできるだけ再現することが目的です。これが習慣になり、完全に再現できるようになると、リスニングに余裕が生まれます。リスニング→リピート→聞いた音と自分の発声を比べる、ということができます。
今回の場合でいうと、この生徒様は“like”を思い浮かべていましたが、実際には“read”で発音が異なることに気がつけたでしょう。そしてもう一度リピートした単語に集中することができます。もしそれでも理解できなければ、講師に助けを求められます。
繰り返す
私の経験上、シンプルにリスニングしたものを全て、特に質問をリピートして練習するとコミュニケーションが非常に向上します。
一番難しいのはリスニングしたものをリピートする習慣をつけるまでです。
頑張りましょう!
スミス英会話生駒校 レス
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