スミス英会話大津校:生徒さんのミネアポリス旅行記

仕事がひと段落した3月13日から、アメリカのミネソタ州にあるミネアポリスへ行ってきました。3泊5日の弾丸スケジュールでの一人旅。平均気温マイナス2度という、ベストシーズンとは言い難い時期に、タイトな日程でわざわざ出かけて行ったのは、ライブ鑑賞をするためです。

唯一無二、天才的な歌唱力を持つカナダの女性歌手、k.d.langのアメリカツアーで、3月14日にミネアポリスで開催されるライブを見るために、3か月前に思い切ってチケットを押さえたのでした。ライブの後にはmeet and greetというファンミーティングがあり、k.d.lang本人と1対1での写真撮影ができることになっていました。

実は数年前に、同様のファンミーティングに参加するためにカナダのモントリオールに行ったのですが、長らく使っていなかった英語が全く口をついて出てこず、ご本人を前に完全に舞い上がってしまった結果、「ワタシハ・アナタノコエガ・ダイスキデス。コレハ・プレゼントデス」しか言えませんでした。これが後々まで後悔となって引きすることになり、結果としてスミス英会話に通うきっかけとなったのでした。

学校を卒業後、英語に触れる機会が全くなくなって20年近くを経た結果、元々大してなかった私の英語力は、自分でも驚くほど退化していました。例えて言うなら、母語である日本語が、大量の情報を載積した大型トラックが楽々通れるハイウェイだとすると、英語は生き物が通らなくなって久しい獣道といったところでしょうか。この獣道を先生の楽しい指導の下、かろうじて人が通れる程度に枝祓いをしつつ、約5年を経た後のミネアポリス行きでした。

正直なところ、日本人の話す英語に慣れた、日本在住の先生とは会話が成立しても、英語が話せて当たり前の環境下にいる人たちとの間で果たして会話ができるのか、はなはだ不安でした。何せ前回は、聞き取りはある程度できても、「腕時計」が言えず、「コーヒー」の発音が悪く、3回聞き直されるという塩梅で、「ワオ」だとか「オーケー」といった以上の英語をほぼ話さずに切り抜ける・・・といった状態です。しかも、週1回のレッスン以外での自主トレーニングはほぼ皆無といった不熱心な生徒がはたして・・。

ありがたいことに、枝祓いの効果はありました。今回は地下鉄に乗りたいが、どう行けばよいか、タクシーで美術館に行きたいが、手配してもらえないかなど、自分のしたいことを、ある程度の長さの文章で伝え、それが相手に理解してもらえるという状態で、「初めてのおつかいで苦労した後に、2度目のおつかいに、苦心しながらも成功する子供」のような気持になりました。いける。これならk.d.langともう少し長めに話をすることができる!高揚感を胸にライブ会場に向かったのでした。

ライブは最高!でした。一番高いチケットを購入した甲斐あって、座席はど真ん中2列目。スマホでの撮影が事実上黙認されている環境で、次々とスマホを構えるファンに対し、その前に立ち、少し長めにパフォーマンスをしてくれるサービス精神!どこまでものびやかで力強く、それでいて柔らかく優しい奇跡のようなアルトボイスを、存分に味わうことができました。

そしていよいよ待ちに待ったファンミーティング。スタッフに連れられ、12名ほどのファン達とともにステージ裏へ。待つ事暫し。前に抱えたプレゼントが、脈動に合わせでカサッカサッと音を立てるほどに緊張しているところへ、ご近所さんが庭から顔を出すような屈託のなさでひょいっと現れたk.d.lang。直前まで言おうとしていた英文が一瞬で頭から消え失せたのが分かりました。

心の準備が全くできていないまま順番が来てしまい、ほとんどせき込むように「すばらしいすばらしいコンサート」「わたしにほんからきました」「まえはモントリオールであなたとあった」「またあえてとてもうれしい」と言い募り、そこで言葉に詰まってしまいました。割と慌ただしい雰囲気で、ぐずぐずしていると、シャンシャンと写真撮影が終わってしまう空気がそこはかとなく感じられ、気ばかりが焦ります。そこで「あなたと以前に会ったあと、英会話教室に行きはじめた」「先生はカナダ人でナナイモ出身です」というと、笑ってもらえ、何とか言葉を継ぐことができました。かろうじてお土産の説明もでき、サインと写真撮影が終了。最後に「遠いところまでどうもありがとう。とても嬉しいわ」と言ってもらえ、握手でお別れ。

k.d.langと会話ができた!しばらく物陰で声を上げずにじたばたするほど嬉しかったです。

翌日はたった一日だけの自由時間。ホテルでタクシーを呼んでもらい、ミネアポリス美術館へ。市民の草の根運動を発端に誕生したこの美術館は、何と敷地32,000㎡を誇るアメリカ中西部最大の規模のもので、とてもではないが一日で回り切れるものではありませんでした。それでもお目当ての19世紀のアメリカ絵画を存分に楽しむことができた上、ちょうどその日に開催されたミニライブがとても素敵で、個人的に大満足な一日でした。

翌日早朝にホテルを出発。タクシーの運転手さんが「私はインドから移住してもう30年以上になるが、ミネアポリスは人が穏やかで親切でいい町だよ、またおいで」と言ってくれた通り、ミネアポリスはお上りさん丸出しの私に対して、皆驚くほど優しく、フレンドリーでした。

どちらかというと臆病で、石橋をたたき割って渡らない質で、海外行きにしても、お目当ての歌手の来日公演がないから止む無く行く、というスタンスだったのですが、何度か繰り返すうち、海外旅行自体に魅力を感じるようになりました。例えばそれは観光地に限らず、何ということのないスーパーマーケットの日用品の買い物から、バスのチケットの購入方法まで、あらゆることがすべて新鮮で困難で、冒険をしているような不安感と高揚感を伴っていたり、コミュニケーションが成立した時の達成感が得難いものだったり。

いつかまたチャンスがあれば、今度はもう少し長めに、観光のための海外旅行にもチャレンジしてみたいと思っています。そしていつになるかはわかりませんが、時間にゆとりができた暁には、海外でのショートステイも夢見るようになりました。

Mieko スミス英会話大津校生

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