人生には、質か量かを選ばなくてはならない時がよくあると思います。幼い頃は、私の気持ちは量の方に集中していました。もっと沢山のおもちゃ、もっと沢山のキャンディ、何でもかんでももっと欲しいと思っていたものです。たった1つの素晴しい物より、質は劣っても沢山の物を持てる方がいいに決まっている、と信じていたのです。質か量かの問題は学校にも同様に存在していました。基本すら理解できていないのに、先生はいつもあれもこれも覚えさせようとします。最初の頃はクラスメイトの間でそれ程大きな差があるように思わなかったのですが、小学校から中学校に上がり、そしていよいよ高校へと進むに従って、どの生徒が「納得」をしていて、どの生徒ができていないかは、すぐに分かるようになっていきました。

私がいつもてこずっていたのは、スペイン語の授業でした。次のクラスに上がるための進級試験を受けなければならなかったのですが、私は全く試験の準備ができていませんでした。3年の授業に進むよりも、もう一度2年の勉強をやり直せたらいいのにと思っていたのを覚えています。3年への進級点を(かろうじて)取れたとは言え、その先に待ち受けているものを学ぶ準備など出来ていないという事は自分でも分かっていました。

英語学習のコツは、広く浅く掻き込むようなやり方ではなく、一歩ずつ少しずつ進めるところにあります。まずは簡単な文をマスターする事に集中します。それから新しい単語を組み込んでいきます。次に構文に磨きをかけていって、さらに語彙を増やしていきます。とても単純な方法なのです。明日には全て理解できているなんて期待は持たないで下さい。一朝一夕にはいきません。量ではなく質こそが、私が教室で教えようとしているものなのです。沢山しゃべる事で上達すると思っている人達もいますが、それと同時に話すことで深みにはまって、周りの人に自分の弱みを示してしまう事も有り得るのです。話す場面もあれば、聞く場面もあるのですから、両方ともに習得することが大切です。もう一度言いますが、どれだけ話すかではなく、伝えたい事をどのように話すか、という事なのです。

ある生徒が、ソープボックスの中の話を4つも読んできてくれました。私はその話が聞けると思ってとてもワクワクしていたのですが、その生徒に自分の言葉で話の内容を説明してみるように求めたところ、彼にはそれが出来ませんでした。これが質の問題です。あまりにも情報が多すぎると自分の中でなかなか整理がつかなくなるというわけです。

量ではなく質こそが、常に目指すべきものなのです。

Adrian

Many thanks to Yasuko Isayama for her hard work translating my article

in Hirakata, Teacher's Thoughts by Mark | April 6, 2009 | 0 comments

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